賜 天皇皇后両陛下献上之光栄

昭和・平成の二代に亘り、天皇皇后両陛下に献上させて頂く光栄を賜りました。

昭和・平成の二代に亘り、天皇皇后両陛下にカスドースを献上させて頂く光栄を賜りました。平成2年5月に当地で開催された「第41回全国植樹祭」にご来臨の折、ホテル旗松亭にて湖月堂老舗のカスドースをお召し上がりいただき、たいそうお気に召されて、売店にてお買い上げ頂きました。大変珍しいことだそうです。

「佐野屋八兵衛」掲載の古地図

嘉永元年、平戸町家之図に、佐野屋八兵衛の名前。

松浦史料博物館所蔵の「嘉永元年(1848年)平戸町家之図」に、湖月堂老舗の祖「佐野屋八兵衛」の名が見えます。ここに近年まで使用されていた製菓用の井戸も描かれており、江戸時代から続く家業の草創期が偲ばれます。

「佐野屋八兵衛」掲載の古地図

湖月堂老舗の歴史

佐野屋家から伊藤家へ、カスドースの継承。

平成21年、湖月堂老舗において後継者問題が生じ、当時の店主・佐野屋勇氏から、平戸物産館に事業を継承。平戸物産館を営む伊藤家は大正10年創業の食品製造卸業で、昭和52年に平戸大橋開通とともに平戸物産館を開業。湖月堂老舗からは長年カスドースが納入されており、強固な信頼関係にありました。

勇氏の兄で、佐野屋家最後の職長・敏男氏は全国の菓子舗で修行を重ね、職人歴60年以上。NHKの取材を受けるなど、当地の隠れた名匠でした。平戸物産館代表・伊藤茂の長男・伊藤大は、大学の卒業を迎え、工学系の就職を予定しておりましたが、突如畑違いの製菓業を一から学ぶこととなりました。調理学校に入学し、調理と製菓一般を習得。さらに5年間懸命に敏男氏の指導を受けました。そして佐野屋家の秘伝すべてを伝授して頂きました。

伊藤大は受け継いだ秘伝を重んじ、素材を厳選し、手作りにこだわり、伝統を守りながら、さらなる発展を目指して研鑽を続けております。甘く香り豊かな湖月堂老舗のカスドースを、これからもぜひお楽しみください。

湖月堂老舗コレクション

湖月堂老舗の旧店舗には、いくつも美しいランプが飾られていました。

カスドースを再興した先々代の当主、佐野屋増時は、菓子舗と共に南蛮古美術「古福堂」を運営していました。特にオイルランプや古渡りのガラス器が得意で、各地の美術館や個人にも多数納めています。「原色図説洋燈考」(1973年葦書房)の中にも増時翁の旧蔵品が散見されます。それら美術品の一部は現在も平戸物産館の店内に展示されています。私達は増時翁の「優美な文化と共にある菓子作り」の精神を引き継ぎ、南蛮古美術品以外にも、郷土色豊かな全国の玩具など様々な蒐集品を所蔵し、日常的に触れることで、製菓に携わる者としての情操の涵養を心がけております。

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